甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


「どこまで着いてくるの?」

「もう、帰ります」

もしかして、送ってきたつもり?


「あっそ」

可愛いげの無いあたしは、ここで『ありがとう』が言えない。

その角を曲がれば、すぐにアパートが見える。


だけど、一歩踏み出すのが怖くて立ち止まった。


居ないよね?

合鍵は使えないから、諦めて帰ったかもしれない。


でも、もし浩二があたしを待っていたら?


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