屋上ダイブ


「…眩しい。」

照り付ける太陽に目を細め手をかざす。
ショートカットの葉風の髪を風が掠めた。

ファンデーション、アイブロウ、チーク、マスカラ。

たったそれだけの飾りで
彼女は他人を魅了する。
学校では話題になる少女だ。

「眞と寿賀っち、遅いな~。」


友人を待つのにも飽きた葉風は
ソファにだらりと横になり
手足を投げ出した。
ん~。と唸って伸びをして
体の緊張を溶く。

ガチャ。
「…あ。」
DSが地面に落ちた。
それでも葉風は動かない。


「ご飯、まだかな~。」


友人ではなく、昼食を待っていると
訂正しておこう。



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