奈那子が死んだ


 俺はそっと由宇を抱きしめた。

 俺と由宇は仲がいいことで結構有名だった。

 由宇はかわいいから俺の元カノで由宇に妬くやつも結構いた。


 「和にぃ、ありがとね」


 ずずっと鼻を鳴らしながら由宇は俺から離れた。

 そしてそっと弥英ちゃんを抱きしめた。


 「決めた、私弥英ちゃんと暮らす!」

 「ばか、新社会人が何言ってんだよ」


 ごちん、と由宇の頭を小突く。

 由宇は後先考えずに行動することがよくある。


 「だってぇ…」


 目をうるうるさせながら由宇は俺を見つめる。


 「そういうことは親父たちに任せるの」


 俺がそういうと由宇はしぶしぶうなずいた。


 「由宇ちゃん、ありがと」

 「弥英ちゃん…」

 「ほら、親父たちのとこ行くぞ」


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