奈那子が死んだ


 「うるさい!これは和くんがわたしのために作ってくれたのっ!!」


 ばんっと机をたたくと、泰地がキョトンとした。


 「"和くん"?誰それ。これお前が作ったんじゃねぇのかよ」

 「あたしがこんなに料理うまいわけないじゃない!」


 私は腹の虫がおさまらなくて、バンバンと机をたたき続ける。

 そんな私に対して泰地はずいっと顔を近づけてくる。

 今はその顔を見ているだけで腹が立つというのに。


 「和くんって誰だ…いってぇ!」


 渾身の力を込めて泰地のすねを蹴ると、泰地はバタバタと暴れ始めた。

 そんな泰地を無視して優香理とお弁当を食べ始める。


 「和くんの料理は全部おいしい~」


 そういってにこにこと微笑む私に対して、優香理は呆れたように笑っていた。



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