奈那子が死んだ
「そういえばさ、告ったりしないわけ?」
中身がなくなったのか、ズコーっという音をたてているカフェオレのストローを加えながら優香理は私に尋ねた。
「告るって誰が、誰に?」
私がそういうと優香理は呆れたように深いため息をついた。
「そんなの決まってるじゃない。弥英が、和くんに、よ」
そういって優香理はカフェオレのパックをぽいっとゴミ箱に向けて投げた。
ガンッという音を立ててカフェオレのパックはゴミ箱に消えた。
「で、できないよ。そんなの…」
「なんで?好きなんでしょ?」
優香理はさも当たり前だと言いたげにあっけらかんといった。
「今はお世話になってる身だし、それに子ども扱いされてるし…」
自分で言っておきながらとてつもなく悲しくなる。
和くんにとって私はもう一人の妹のようなものだ。