奈那子が死んだ



 私はまだ肌寒いというのに優香理が厳選したふわふわ素材のパーカーとショーパンに身を包んでいる。

 優香理曰く、和くんが脚フェチだったら絶対に食いつくとのこと。

 携帯を開き、優香理に和くんは脚フェチじゃなかったことを報告する。


 「ちょっとくらいどきどきしてくれてもいいのに…」


 ぼそりとつぶやいて私もキッチンへと向かう。

 今日は何を作ってくれるんだろう?


 「弥英ちゃん、今日は肉じゃがにしてみたんだ。」


 にこにことしながら和くんはご飯をよそっていた。

 テーブルには肉じゃがだけでなく、ホウレンソウのお浸しとお味噌汁が乗っていた。

 自分だってお仕事忙しいのにすごいな、和くん…

 一口肉じゃがを食べるとすごくおいしかった。



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