奈那子が死んだ


 俺は弥英ちゃんと同居し始めてから昨日のことまでをすべて下野とおまけに藤沢に話した。

 途中で藤沢がいろいろ騒いでうるさかったが、無視した。


 「ふんふん…そういうことか」

 「はあ~…桐島がうらやましいわ~」


 二人は何かが分かったようで、どこか遠くを見ているような顔をしていた。


 「なんかわかったなら教えてくれよ~」


 バンバンと机をたたくと2人は心底びっくりしたような顔をした。


 「え、なにお前…気づいてないの?」

 「気づくも何も…何をだよ?」


 きょとんと首をかしげると、藤沢は大きなため息をついた。


 「あー、阿呆らしくて何にも言えねえよ、俺。」

 「桐島くん、僕が素晴らしいアドバイスを君にあげよう」


 下野はにっこりと俺に微笑みかけたが、どうにもその笑顔が怖い。


 「この鈍感野郎」



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