奈那子が死んだ

弥英ちゃん



 「ていうか何年も前のことだし…」


 俺が奈那子さんのこと好きだったのは低学年のころだし15年以上前の話になる。

 でもほわほわした天然ぽい奈那子さんと違って弥英ちゃんはするどいな…

 顔もかわいい系の奈那子さんと違って美人系だし…


 「またママと私、比べてるでしょ?」

 「え、いやいや…そんなことないよ?」


 なんだこの子、鋭すぎる…!


 「えっと、オレンジジュースにする?」


 俺がそういってぎこちなく笑うと弥英ちゃんはむっとした。


 「子ども扱いしないで!」


 そういって弥英ちゃんが自販機のボタンを押した。

 しゃがみこんで自販機から弥英ちゃんが取り出したのはレモンティーだった。


 「ごめん、ごめん。弥英ちゃんももう高校生だもんね」


 俺がそういうとまた弥英ちゃんはぷいっとそっぽを向いた。


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