ありがとう,伝えたくて~Dear MaMa~
あたしの名前はえみ




5人兄弟のうち4番目。
一番の甘えん坊で
いつまでたっても
親離れ出来てないこの頃








そんなあたしも
高校を卒業し、


何もない春休みに
差し掛かる。




久しぶりの家族旅行で
箱根に行くことになった。




『えみちゃーん。


みんなもう起きて
用意しよるよー?
早く起きなさい』


学生の時も一階から叫ばれ
起こされてた。


『ふぁ~い。』


イヤイヤ体を起こし
用意を始めた。




昼間でも肌寒い3月。
青いコートをはおり
タクシーに乗り込み
駅へ向かう。




『寒いし眠いし…ふぁ~あ』


目をこすりアクビをする
あたしを横目に


おかんは




『あんたまた夜遅くまで
起きとったんやないんね?』


『う~ん。別にえみ的には
早く寝たつもり
やったんやきど。』


すると姉ちゃんが


『えみ4時まで携帯ピコピコ
扱いよったくせにね~笑』






『あっもぉ~
黙っちょってよ。』




『やっぱりねぇ。
まぁ隠しても
あんたのことやけ
起きとるやろうって
思ってたけど。』


といかにもしってたか
のような言われよう
だった。




そうこう言っていると
夜行列車がきた。




『おー来た来た。
足元、気を付けろよ』


おとんに言われるがまま
列車に乗り込む。






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