小鳥と恋愛小説家
「……………ダメ………?」
「…………!!」
固まっていたあたしの思考は貴宮くんの切なげな声と表情で………まるで魔法でもとけたみたいに覚醒し始める。
「いや…その…っ!ダメなんてこと…………っ!」
あたしは慌ててぶんぶん頭を振った。
そしたら…………
「……………よかった………。」
「………!!」
ほっとした顔になった貴宮くんは………ゆっくりとあたしに近づいて…………
「……………約束………。」
「…………っ!」
そう言って、長くて綺麗な小指をあたしの小指に絡めて………
綺麗に綺麗に
…………にっこりと笑った。