小鳥と恋愛小説家
「どこか行きたいとこ、ある?」
一緒にいられるだけで俺は十分だと思ってしまうから、とりあえず、彼女の希望を聞いてみる。
それに小鳥ちゃんは…きらきらと大きな瞳を輝かせて
「…………その、わたし……ね。
………公園とか行きたいっ。それで……………叶音さまの小説の裏話聞きたい……!!」
「……………。」
期待に頬を上気させて、両手で握りこぶしまで作って俺を見上げる小鳥ちゃんは………
そりゃあもう………………立派な ファン だった…………。
…………こんなに好いてもらっちゃってもー…………
《叶音さま》に嫉妬を覚える俺がいるんですけど……………。