小鳥と恋愛小説家
□ドキドキ……デート!
【side小鳥】
うわぁー!うわぁーーっ!!
どうしよう…………っ!!?
あたしってば、また貴宮くんと手、繋いで歩いてる…………!
あの時………あたしは前を歩く貴宮くんの背中をひたすら見つめて歩いてた………。
でも、今日は
貴宮くんは………あたしの隣を歩いてる……………。
チラ…と隣にいる人の綺麗な横顔を見上げれば…………
「…………!」
「………??」
それに気づいた貴宮くんが……鋭い切れ長の瞳を少し和らげて……………
「…………ん…?」
………なんて、優しく聞いてくれて……………!!
「~~~~!!」
あたしは慌てて上昇する頬の火照りを振り払うかのようにぶんぶんと頭を振った。
「………??」
不思議そうに、きょとんと頭を傾げる貴宮くん…………。
あたしの心臓は、ドキドキ…ドキドキ………。
その音ひとつひとつがね…………
《好き》《好き》って言ってるみたいだよ…………。