小鳥と恋愛小説家




「…………もーいいっ!貴宮くんのばかっ!」



ついにはほっぺたを膨らませて…ぷいっとそっぽを向いて………怒ってしまった。



そんな姿さえ可愛いと思ってしまって苦笑する。



「………ごめんね。もう、笑わない。」



「…………っ。」



…………顔を覗いて言ってみても、お姫様はご機嫌ナナメになってしまったようで……………ツンと顔をそらされてしまう。



これは………どうしたものか…………。



うーん…と考えて、公園の入り口にあるクレープのワゴン車が目についた。



「…………アレ、奢るから……ご機嫌直してくれますか………?

………お姫様……?」



また同じようにおずおずと顔を覗き込むと



「~~~~!?………お……っ…ひめ……~~~~!!!?」



今度はまた真っ赤になって口をパクパク…………。



小鳥ちゃんて……なんでこんなにくるくると表情が変わるんだろう……?



可愛いなぁ~…といっそ感心する思いで立ち上がって、クレープを買いにワゴンまで歩き出した。











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