小鳥と恋愛小説家




―――ガラッ!



扉が開く音の後、ぼんやりした頭の中で……保健室の消毒薬臭いにおいがした。



「万里子(マリコ)女史~~!イケメン一人入りまぁーすっ。」



ふざけた大河の挨拶にすぐに返事があった。



「……おぉ!1‐Aのミスタークール!貴宮叶夜……!!

でかした園村大河!入りなー。校内一を連れてくるなんかういやつじゃ~♪」



保健室の魔女……なんて呼ばれる東雲万里子(シノノメマリコ)先生のなんでか浮かれた声がした。



ちなみにあだ名は万里子女史。



黙っていれば眼鏡が似合う、知的な雰囲気の美人……らしい。



「万里子女史さぁ~…相ッ変わらずイケメンに目がないよねー?職権乱用じゃねぇのっ?」



「馬鹿者!あたしは、美少女のほうがもっと好きなんだよ!」



「…………。」



「愛でるだけなんだから何が悪い?……今日は最高……!」







浮かれた万里子女史の声が聞こえたけど……



頭痛くて限界な俺は、大河にベッドに寝かされるとそのままズブズブと眠りの世界に引き込まれて行った。







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