小鳥と恋愛小説家
な…名前…………?
貴宮くんの…………
「…………名前……?」
「…………ん。」
あたしの呟くような言葉に、貴宮くんはちょっと恥ずかしそうに頬を染めていて………
え……呼んで……いいの…………?
あたしが………っ?
「……………か…カナくん……とかっ。」
「………!…………そう、呼んで……。」
「~~~~っ!!」
思わず言っちゃった名前に、貴宮くん……カナくんは嬉しそうに照れくさそうに頬を掻いた。
なんか…なんか……っ
あたし特別みたい…………!
だったら…………
…………あたしも
「じゃあ…じゃあね…っ!
あたしのこと………小鳥ちゃんじゃなくて……小鳥…って、………呼んでくれる………っ?」
「…………!」
…………それはあたしにとって特別で…………
あたしを呼び捨てにする男の子は誰もいないから…………
だから、特別な……カナくんに呼んでほしいと思ってしまった。