小鳥と恋愛小説家




「…………寒い…。」



頭の痛みは引いていたけど、今度はあまりの寒さに目が覚めた。



どうやら原因は熱のために大量にかいた汗らしい。



春なのに、なにこの寒さ。



せめてもう一枚布団が欲しい。



「…………。」



キョロキョロと見回して見るけど仕切りのカーテンしか見えない。



万里子女史の気配もない。



しょうがない……とりあえず今ある布団にもぐり込んでまるまった。



着替えもしたいけど、どうにもならないしな。



そう思うだけ思って、後は諦めたようにまた目を閉じた………。










――――どのくらい経ったのか………



あれほど寒かったのに、もう寒くない。



だけど、頭はひんやりして、気持ちいい………?



戻って来たのか……?万里子女史………。



そう思ってうっすらと目を開けた。



「………?」



布団はもう一枚増えていた。



ひんやりした感触に手をやれば、頭には濡れた……ハンカチ……?



「……うさぎ模様だ。」




意外な趣味だな……万里子女史。







そう思った時だった。







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