小鳥と恋愛小説家
『………………寂しい……っ………カナくんー…………。』
『~~~~!!』
潤んだ瞳で見上げられて…………
…………それ…………反則。
もう…抱きしめたくて堪んなくなった。
…………家の前でそんなこと、出来やしないけど。
だから………
『…………カナく………!』
『…………。』
…………だからそっと、その白い頬に…手を添えた。
『……………ダメだよ…小鳥………あんま、可愛いことしたら…………拐いたくなる。』
『…………っ!』
つい正直にそんなことを言っていた。
見るまに赤く染まった彼女がただ可愛くてしかたなかった。
自分に苦笑して、頬に添えた手を彼女の頭に移した。
『………またね……?』
そう言って離れたくない気持ちを振り切るように足を動かした。
……………――――――――――――――
好きだ
好きだ
すごく…………好きだ。
早く時が経って……………早くあの子に逢いたい……………。
…………そう思いながら、家に帰った。
君を想う帰り道
堪らなく幸せで………君がいなくて、少し、切ない―――………