小鳥と恋愛小説家
え……婚約者………………?
それって将来……けっ、結婚する人のことでしょーーーーっ!!?
さすがにビシッと固まった。
頭の中はパニックでぐるぐるぐるぐる…《婚約者》が回ってる。
「…………ツバサ……!!変なこと言うな……………っ」
「変なことは言ってないわ。
約束したでしょう?カナヤ………?」
焦るカナくんに対してツバサと呼ばれた美人さんはツンと顎をあげると何にも堪えてなんかいない態度だ。
「~~~……子供の時の無理強いを約束とは呼ばない。」
「約束は約束よ。」
「…………。」
何を言ってもこんな調子で……カナくんは片手で顔を覆うと、はぁー…と溜め息をついた。
「…………!」
ツバサさんはあたしに向き直ると
ギラッとその印象的な瞳が光る。
それに思わず後退る……………っ
「……………だいたい、こんなおちびちゃんの何がいいの?
あんた………どうやってカナヤを落としたの?」
剣呑にしかめられた眉間が彼女の不機嫌を物語っていた…………。