小鳥と恋愛小説家
「…………だぁから、置いてかないでよ~、ツバサー。焦るじゃん。」
そしてのんびりと現れた弟のカケル………。
言ってるほど焦ってないのは、あくびをしながらやって来たその態度を見ればわかる…………。
「………チッ!うっざいわね!
来るんじゃないわよ!あたしはカナヤと二人がいいの!!」
「はいはい~。俺だって面倒くさいけど、母さんがうるさいから仕方な~く来てんの。」
「~~~!……頼んでないっつーのよ!!」
うるさいなぁ…と思いつつ、叔母さんはツバサに対してずいぶん過保護になったもんだと二人の会話にそう思った。
「ねぇ……カナヤ?
放課後この辺案内してよ。
前とずいぶん変わったんだもの………いろいろと見たいの。」
猫なで声でツバサが目を細めて俺を見つめ、そっと腕に触れてくる。
それをやんわりかわしながら
「………………無理。」
一言ぼそりとそう言った。
「~~~~!!」
それにさっきの甘ったるい視線を一変させてツバサが俺を睨み付ける。
なんと言われても無理なものは無理なんです。
…………だって俺
「……………ちょー方向音痴のカナに案内が出来るかよ。
どこにも着けねぇぞ………。
………つーかそこの双子!!
マジうるせーから黙れ……!!!」
「「…………!?」」
「…………。」
大河がキレながらバラしたけど………そういうことです…………(恥)。
…………言うなよーぅ(泣)。