小鳥と恋愛小説家
「おはよー…てかすごいね。びしょ濡れ」
あたしのあんまりな姿を見て綾瀬くんが目を丸くする。
「こんな日に学校とかあんまりだよね……」
あたしは力なくへらりと笑って綾瀬くんの後ろをきょろきょろと見回す。
いつも傍にいるあの方の姿が見えないもんで………。
「あー…ツバサ?
ツバサは今日は休みだよ。
めちゃくちゃ行きたがって駄々こねてたけど絶対ダメだって母親に言われてね~」
それに気付いた綾瀬くんが苦笑しながらのんびりとそう言った。
「そうなんだー……」
うちの親とえらい違いだ…………。
『休みたい』と言ったら『出席日数くらいは稼いできなさい!』と言ったうちのママっていったい…………。
ヨソとの違いにあたしは思わず遠い目をしてしまいました………………。