小鳥と恋愛小説家
あたしの隣のベッドで唸ってた………貴宮叶夜くん。
うちの学校で知らない女の子はいないと思う。
背が高くて、あまり表情の変わらない凄まじく整いまくった顔……。
勉強も出来て、運動神経までいいらしい。
彼に憧れる女子は山ほどいるけど………
無表情で無口な彼に近づける人はなかなかいない。
勇気を出した強者も……いつもたった一言で振られてるんだとか………。
とにかく、何にも動じない……超絶クールなイケメン男子だ。
…………なんだけど、
「…………。」
あたしはポケットの中に入ったまだ少しだけ湿ってる…うさぎ模様のハンカチをソッと触った。
あんまり苦しそうに唸ってるもんだから……思わず隣のベッドに行ってみて、驚いた。
そんなことに疎いあたしでも知ってる校内一のイケメンが……まるくなって唸ってんだもん………。