小鳥と恋愛小説家
■はじめてのやきもち
台風で休校だった今日。
家でケータイ小説の大量更新に精を出していた俺。
小鳥にも逢えないし、切ない話が進む進む………。
そんな俺の前には……………なぜか制服姿のカケル。
台風がずいぶんとおさまった頃…いきなりうちにやって来たカケルはにっこり笑うと………
「…………そんなわけで俺、小鳥ちゃんに告ったからね~?」
「…………。」
……………………どんなわけ?
「カナはツバサと付き合ってくれたらいーじゃん~?
んで、俺に小鳥ちゃんちょうだい♪」
「……………いやだ。」
「固まってるくせにそこは譲んないのさすがだね………。」
カケルは苦笑を浮かべるとすぐにまたへらりとしたいつもの笑顔になった。
「黙っとくのも悪いしさ、堂々とライバル宣言しとこうと思ってー。
言っとくけど、俺、マジだからね?」
そして…………ニィと目を細めて笑うと………じゃあね~…とゆるいあいさつをしながら帰って行った。
「…………なんだ…………今のは………」
呆然とつぶやく俺。
…………突然のカケルの《ライバル宣言》に、正直まだ頭がついていっていません…………………。