小鳥と恋愛小説家
とぼとぼと一人でいつもの帰り道を歩いた。
うつむいたまま足元だけを見つめて歩いた。
ポタリ…ポタリ…と、アスファルトに出来る水玉模様。
締まりのない涙腺だな…………。ご主人様の許可もなく勝手に落ちないでよ………っ。
変な悪態を心の中でつきながら、また何度も袖口で目をこする。
だってハンカチ、持ってないし。
ポケットティッシュも忘れたし。
…………どんだけ女子力低いんだよっ!
「………ぅう~…。
あたしなんかより今日日おじさんのがちゃんとしてるよ………。」
挙げ句に優しいカナくんにあんな顔させて………。
なのに未だに理由すらわからないなんてバカすぎて終わってる…………。