小鳥と恋愛小説家
グスグスと鼻をすすりながらひたすら歩いて、気づけば家の前だった。
ぜんぜん前なんか見てなかったけど、あたしにも帰省本能くらい備わってるらしい。
「…………ただいま…………。」
つぶやくだけの挨拶をしながら玄関に入った。
――――ガシャーン!!!
「…………!?」
何かが割れる音にさすがに驚いて勢いよく顔をあげた。
急いではいてたローファーを脱ぎ捨てて音が聞こえたリビングに飛び入った。
中では――――
「この浮気者っ!!!」
「だからしてねーって言ってるだろう!?」
「嘘言ってんじゃないわよ!!バカ亭主!!」
「なんだとこのバカ妻がっ!!」
ギャーギャー言い合う我が両親の姿が………………。