小鳥と恋愛小説家
「…………パパ、ママ…ありがとう!!
あたし…こんなふうに泣いてる場合じゃなかった………!」
だけど、勢いづいたあたしは気づかない……………。
「そうと決まれば着替えなくちゃ!
小鳥はおじさんじゃなくて女子………っ!!
しわっしわの制服で学校なんてダメだ!」
あたしはがぜん勢いづいてドアの前でぶっ倒れたパパとそれを支えるママを見てにっこり笑った。
「パパとママって仲良しだよねー!
皿投げたって、皿投げられたって……最後は仲直りすればいいんだよね………!?」
無駄にキラキラした目でママを見た。
「えっ!?………えっと…………そ…そう……ね?」
ママはあたしに圧されるようにわけもわからず頷いた。
「だよねーっ!!
ぃよっしゃーーっ!!
明日は絶対仲直りしてやるもんねーー!」
思いっきり気合いを入れるとドアノブに手をかけた。
――――バタン……!!
「……………。」
元気に閉まったドアの向こうでママが呆然とパパを膝枕したまま遠い目をしてた。
「………ぅ…うちの娘は…………最強だ………。」
「……………おでこ………冷やしましょうか………。」
開き直ったら後は前を向いて進むのみ!
「明日はハンカチもティッシュも忘れないっ。
カナくんに理由聞いて謝って……絶対仲直りしてやるぞーーーっ!!!」