小鳥と恋愛小説家
「ツバサ、俺は………」
「…………っ………あたしにこの辺の案内してくれる約束でしょっ!?」
俺の話しを遮るようにそう言って、ツバサはツカツカと俺に近づくと俺の腕を強く掴んだ。
「行くわよ………!」
そしてぐっと腕を引く。
「…………っ!」
「…………。」
だけど、俺はその場から動かない…………。
ツバサはそんな俺をきつく睨み付けた。
俺はその強い瞳を見返した。
「……………ごめん。
ツバサとは行けない…………。」
「…………!
いやよ!あの子のとこになんて行かせない………!!」
それはきつくて強い口調だったけど、ツバサはいつもの強さが嘘みたいな…………今にも泣き出しそうな顔をしてた。
――――そんな顔に胸が痛む。
だけど、
「――――――ごめん………ツバサ。」
「…………!!」
そ…っと、絡みつく腕を離す…………。
ツバサを傷つけることを知ってるのに……………ごめん。
どうしても
小鳥に逢いたいんだ。
「……………カナヤ………!!!
何よ…………カナヤのバカ!!」
ツバサが俺を呼ぶ声が辛いけど、振り返らずに校門をくぐった。