小鳥と恋愛小説家




「あの、具合は悪いんですか………?」



小鳥が学校休むのは珍しいと言っていた仁科さんを思い出して、よほど悪いのかと心配だった。



「あぁ!ぜんぜん大丈夫よ~!

昨日なんか妙にうるさかったから、あんなの知恵熱よ!知恵熱!」



「知恵熱………。」



だけどお母さんは顔の前でぶんぶんと手を振ると、ほほほと笑った。



その明るい声に大丈夫そうだと少しだけほっとする。



「あの子今寝てるの。

部屋に行ってあげて?

私ちょうどお買い物に行こうと思ってたのよ。

貴宮くんが看ててくれたら助かるわ~。」



「…………!?」



今から買い物に行くのに俺に部屋に………!?



小鳥のお母さんらしいと言えばそうだけど…………あまりのフランクっぷりにびっくりなんですが…………。







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