小鳥と恋愛小説家




「困った顔もイケメンだわ~…。

いいのよ?そんな恐縮しなくても。

いっそのこと押し倒しちゃってちょうだいよ。ほんと、いつまでたっても小学生みたいなのよ………少しは落ち着きでるかもしれないし。

避妊さえしっかりしてくれたら。」



「……………!!?」



いやいやいや………っ



フランクすぎやしませんか…………っ?



清楚な顔であまりにストレートな事を言うお母さんに言葉が出ない俺なんですが………。



「アハハ!そんなに慌てないでちょうだいよ~!半分は冗談よー。

………あなたいい子ねぇ。

小鳥はね、呆れるくらいバカな子だけど………人を見る目はあると思ってるの。

あの子が選んだ彼氏ですもん。………信用してるわよ?」



「…………!」



お母さんは、やっぱり小鳥によく似た笑顔で俺を見た。



いや…小鳥は娘だから小鳥がこの人に似てるんだろうけど…………。



「昨日わぁわぁやってたのも、君とケンカでもしたのかしら?

仲直り仲直りうるさく言ってたのよ?

挙げ句に知恵熱なんてほんとバカな子。」



「…………っ。」



「さ~!買い物行かなくちゃ!

お茶淹れるからそれ持って部屋に行ってね。

………仲直りしてやって?」



「…………はい。」







お母さんは俺にお茶とお菓子を乗せたトレーを手渡すと、ほんとに買い物に出かけて行った。



ずっとにこにこ笑顔のお母さんに



小鳥がいい子な理由が、わかった気がした。








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