小鳥と恋愛小説家
「なぁ、小鳥……?
出てこないと………俺がめくるよ?」
「…………!?」
急にカナくんから何だか色っぽい声が出た。
だんごむしになったあたしのお布団に手がかかる。
「ふ…ぎゃあぁぁーーーー!!!?」
お布団はあっという間に引き剥がされて、あたしはカナくんの前に出てきてしまった。
なのにそれでも諦め悪く、ぎゅうっとお布団にしがみついた。
――――そしたら
「……………!?」
後ろからあたしの腰に手が回り………あたしの身体はふわりと浮いた。
カナくんに軽々抱き上げられて――――
呆然と手も足もぶらんな、宙ぶらりんの………マヌケなあたし。
そんなマヌケなあたしを
カナくんはそのままぎゅっと…………抱きしめた。
「そんなのにしがみつくなら、俺にしてよ………?」
「…………!!」
「可愛いことばっかしないで………。
小鳥のお母さんが言った半分冗談の話………
――――マジにしそう……」
「…………っ!!」
ママがいったいどんな半分冗談を言ったのかはわからなかったけど、
カナくんのあたしを抱きしめる手も………
後ろから首筋に埋めた………そこにあたる唇が熱くて――――
わけもわからず
―――――ドキドキした。