小鳥と恋愛小説家
――――ピピピピッ。
「…………38度5分。
長い知恵熱だわねー。
熱上がっちゃうようなことでもあったの~?」
あたしから抜き取った体温計を見ながら、ママがなんだか意味深な目をしてチラリとあたしに視線を移した。
「…………ないしょだも………」
布団をひきあげて目だけ出してそう言った。
「小鳥のくせに生意気ねぇ!」
ママはそんなあたしのおでこを軽くぺしりと叩いてクスリと笑うと「よかったわね」とすべてお見通しみたいな顔をして言った。
あの後、
あたしはまたママいわく…知恵熱を出してベッドに逆戻りした。
熱が出た身体は熱くてふわふわ………。
だけど、それはなんだかとても幸せな感覚で…………。
ふわふわな夢に包まれて幸せなあたしは眠りについた。