小鳥と恋愛小説家




「ほんとだったらこんなとこに来てないで、今すぐにでも病院のベッドにくくりつけておきたいらしいよ………母さんは。」



カケルは何だか冷たい目をして言った。



そして、また俺を見上げる………。



「小鳥ちゃんには余計なこと言うなって言われたけど、カナには言うなって言われてないしね…………。


ツバサはカナと少しでも長くいたいから必死で命を繋げてる。

ここに戻って来たのだってツバサが生きる希望を捨てない為のことなんだよ………?

責任………とってくれるでしょ?

カナはツバサといなくちゃあ………だって、じゃなきゃ………ツバサ――――死んじゃうよ?」



「……………!!?」









どんよりとしたこの曇り空のように………暗い瞳をしたカケルにゾクリ…と背筋が冷たくなった。



あまりにも重い……………重すぎる話。



カケルは詳しくは言っていないようだけど…………



それでも、










小鳥はどんな気持ちでこの薄汚れたベンチに座っていた―――――………?












ツバサの話を聞いているのに



小鳥を想う俺は










最低だと、思った………………。










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