小鳥と恋愛小説家
〇ツバサの気持ち
【side翼】
「…………何かますます気まずい感じになっちゃってるみたいだよ~?」
ざわざわとうるさい朝のHR前の時間。
あたしの座る席に弟のカケルがそう言いながらやって来た。
口元をニィと笑みに形どると嫌な笑い方をする。
実の弟ながら腹黒いやつだと思う。
普段は常にやる気がなくてだらけ放題だっていうのに………。
こういう時は―――なんて楽しそうなのかしら。
クスクス笑いながらカナヤを見るカケルにため息がこぼれた。