小鳥と恋愛小説家





カナヤの隣には、彼女がいた―――――。



一目見て、なんて可愛い子だろう…って思った。



小さな守ってあげたくなるようなお人形さんみたいな子………。



可愛くて、明るくて、



何より………カナヤをすごくよくわかってた。









――――勝てないと思った。









憎らしくて憎らしくて…………悔し紛れにひどいことも言った。



そう…悔しかった。



カナヤをあんな顔で笑わせるあの子を、心底嫌いだと思った。



ずるいって………そう思った。



あたしが持ってないものを両手いっぱい持ってるのに



あたしの生きるための希望まで………奪われた気分だった。



あの子を呼び出して倒れた後、あの子はカナヤと別れた………。



すぐに、カケルが何かあの子に言ったんだとわかった。



でも






『付き合えないし、それ以上のことも出来ない……。

ツバサがそれでも俺が傍にいることで気が済むなら………』



カナヤにそう言われた時―――



あたしは迷わず、頷いた。







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