小鳥と恋愛小説家
「…………何なの?
告白とかやめてよね。あたしにはカナヤがいるから。」
来たのは屋上で………あたしがあの子を呼び出したところ………。
いつもうるさいくせに無言の大河が怖くて………強がるようにそんなことを言っていた。
「…………カナはおまえのじゃないだろ…………。」
「…………っ!」
まっすぐにあたしの瞳を見る大河にいつもみたいにうまく言い返せない………。
「カナは何聞いても答えようとしねぇから………さっきおまえらの話し聞いてピンときた。
おまえ、病気だったんだな………。」
「…………!!」
カケルとの話し………聞かれてたんだ………。
教室で声を抑えてはいたけど………きっと傍にいたのね………。
ぼんやりとしていてうっかりしてた自分に嫌気がさした。
コイツになんか知られたくなかった………。
大河は苦手。
カナヤみたいに優しいわけじゃない。
カケルみたいにあたしに逆らえないわけじゃない。
いつも誰よりも………嘘のない本心むき出しであたしを追い詰める―――