小鳥と恋愛小説家





「おまえ……っ、本気で今幸せなのかっ!?

自分の弱味をタテにして、小鳥ちゃんとカナを無理矢理引き離して!!

カナがおまえの思い通りになって満足かよ!?

人の気持ちは……そんなに思い通りにはならねぇんだよ………!

おまえは大好きなカナのあんな顔見て―――何とも思わねぇのか………!!!」



「……………!!!」






胸が



張り裂けそう………。



誰も言わないその言葉



大河はいとも簡単にあたしに言った。







「ツバサ……おまえにはカナしか支えになるものがほんとにねぇのか……?

おまえの家族や………カケルのこと……ちゃんと考えたことあるのか………?

おまえを誰よりも傍で支える人間は誰か――――もっとしっかり考えろ。


カナがいなきゃ生きられねぇとか馬鹿思うなよ。

そんなもんは弱いてめぇの言い訳だ……。


おまえはあんなに生きることを望まれてんじゃねぇかよ…………。」



「……………あたし………あたし…は………ッ…」







気づけば



ボロボロと涙を流していた。



大河の言葉が



弱いあたしの胸いっぱいに広がって………



何にも言えずに



ただ――――涙だけが溢れた。









< 289 / 344 >

この作品をシェア

pagetop