小鳥と恋愛小説家
走りながらあたしはカナくんの居場所を考えた。
もう夕方だし、やっぱり家にいるかな……?
まだまた明るいけど、ケータイを開いてみれば時刻は5時20分。
出かけてなければ家だよね。
「…………あっ!!」
そう思ってカナくんのお家ってどこだっけ!?なんて今さら思い出した。
あたし、カナくん家知らないじゃん……!!
ど…どどどどうしようっ!?
ツバサさんまだいるかなっ!?
いや…いるわけないし、いてもちょー怒鳴られそうだ。
おろおろしてつい足が止まってしまう。
「カナくん…………。」
名前をつぶやくと、ますます……逢いたい気持ちが強くなる。
――――チュンチュン♪♪♪
「………!メール………っ」
鳴き出したケータイを慌てて開くと、
「…………双葉だ。
『らずべりーをすぐに見なさい!!
もちろん、あんたの叶音様の小説!!』
……どういうこと??」