小鳥と恋愛小説家
ふんっ!と鼻を鳴らして、目を見開いて固まる俺から顔をそむけて大河はまた話し出した。
「なぁ……、俺は、結構なげーことおまえと一緒にいるけどよ……。
おまえがあんなに楽しそうに誰かといるのを見たことがなかったよ。
天然ボケどうし気が合うのかしんねーけどさ……
俺は、ボケボケカップルが幸せそうにふにゃーと笑ってんの見るのが好きだったよ。
だからなんか…やなんだよっ!
おまえらは一緒に笑ってないと………っ
二人が悲しそうなのは、いやなんだよ!!」
「……………大…河………」
一気に言い終わった後、
大河の大きな目が微かに潤んでいた。
ボケボケカップルとはなんだ………失礼な………。
『俺が嫌だ』
なんて大河らしい理由なんだよ。
そんな小学生みたいなこと言うの
おまえくらいだよ。
――――だけど
誰の言葉より、胸に響いた。
顔はアイドルみたいに可愛いのに
口が悪くて、態度もでかくて、
でも――誰よりも情に厚い友達思いな大河。
「…………いい子だな………ちびっこ………。」
「頭撫でんじゃねぇよ!!?なにガキ扱いしてんだ!!」
おまえが親友で
――――心底よかったよ。