小鳥と恋愛小説家
「………あの……じゃあ…また……。」
「………!」
思わず時を止めていたあたしはその言葉にハッとして顔を上げた。
「………あ…っ、ありがとう……!!わざわざ……っ!嬉しかった!!」
どうしてか……必死でそう言っていた。
「………。」
そうしたら、
「…………!」
「…………それ、俺のセリフ。………ありがとう。」
貴宮くんはそう言うと……………
あたしに向かって………鋭い切れ長の瞳を少し和らげて…………
フ……と、笑ってくれたんだ……………。
「………っ。」
胸が……締め付けられる。
あぁ……これってば……………叶音様の小説だ…………。
「……………きゅん………。」