小鳥と恋愛小説家
「本気でわかんないって顔しないでよ……!
ったく……これだからカナは嫌いになれないんだよ………。
そんなカナだから、カナの周りにはカナが本気で大好きな人ばっかりが集まるんだろうな………。
ツバサも大河も…小鳥ちゃんも………。みんなみんな、カナが大好きなんだよね………。」
呆れたような…でも、感心でもしているようにもとれる口調でカケルは言った。
「カナを知るとさ、素直で優しいカナの傍はあったかくて……カナなら受け止めてくれるって思っちゃう。
ツバサは正にそれでさ。
病気もあってか盲目的になってたんだよね………。
それだけでも悔しいのに、カナには逆にまるごと受け入れてくれる小鳥ちゃんまで傍にいて………羨ましかったんだぁ………。」
「……………。」
カケルは寂しそうに笑った。