小鳥と恋愛小説家
□それはあなたからの贈り物
【side小鳥】
双葉からのナゾのメールを読んだあたしは、道端でケータイ小説を読むのもなんだから、公園まで移動した。
せっかくだから、初めてデートしたあの公園。
夕方の公園は子供達もお家に帰ったのか、誰もいなくて静かだった。
ブランコに座ってゆらゆら揺らしながらまたケータイを開いた。
そして早速らずべりーにアクセスしてみた。
馴染みあるラズベリーの実に飾られた可愛いサイトに…嬉しくてにまにましてしまう。
一度辞めてしまったから検索から叶音様を探した。
「叶音様だ~~っ!!」
画面に映る叶音様の小説にいきなりテンションがあがった。
これだよぅ~~!!
あたしってばやっぱりオタクをやめられないわ………!
そう改めて思いながら叶音様の小説一覧を見た。
そのひとつに目がとまる。
「……………新…作………?」
見たことのないタイトルに…………惹き付けられるようにケータイのボタンを押した。
『……笑って。』
――――カチリ…………。