小鳥と恋愛小説家
――――カチリ……
最後まで読み上げて
ケータイを持つ手が、震えてる。
「…………っ……」
――――パタパタ…パタパタ………
ブランコに座る足元に落ちる涙が次から次へと地面に模様を作った。
それは、
叶音様の小説じゃなくて
カナくんからの、手紙だと思った。
きっと辞めたことだって知ってるはずなのに
それでも
書いてくれたの――――?
自惚れてもいいなら
――――あたしの……ために。
ダメだ。
もうダメ。
「逢いたいよぉ……………!!!」
我慢の限界―――超えました。