小鳥と恋愛小説家






「なんで………家にいないんだ…………っ?

お母さん、怒ってたぞ………っ。

もう暗くなるのに、なんで…こんなとこにこんな冷たくなるまで一人でいるんだ……!」



「……………っ!!」



冷えた身体を抱き締めたまま



小鳥に初めて怒っていた。



小鳥は固まったままで



だけど震える手でぎこちなく、ぎゅっと………俺の腕を掴んだ。



そこに顔を押し当てて



「……………らずべりー読んで…た………。」



「…………!」



俺の腕に顔を押し当てたくぐもった…やっと聞き取れるほどのか細い声で……一言、そう言った。













「……………ありがとう……。」



「…………!!!」











俺は笑顔で



そう、答えていた―――――――










俺のことも、見つけてくれたんだな………。








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