小鳥と恋愛小説家





「俺は、クールじゃないんだ………。」



「………!」



抱き締める腕に力を込めて唐突につぶやいた。



小鳥はハッと顔をあげて振り返った。



俺を見上げるおっきな瞳が赤い。



鼻の頭も………赤かった。



「ぜんぜん……クールなんかじゃないんだ。」



もう一度、今度は小鳥の瞳を見つめて言った。



「クールじゃ…ないほうがいい……っ。」



小鳥は涙を流しながら答えてくれた。



「人見知りだし、楽しい話しも出来ないし。」



「その分あたしが喋るもん………!」



「ケータイ小説オタクだしな。」



「い…一緒だもん!あたしなんか…っ…読み…専門のっ、ちょー叶音様オタクなの……っ。」



「……………うん。」



「それに………結構甘党だし、意外とヤキモチ焼きだし、時々びっくりするようなこと言うし………っ!

でも……いつも誰よりもあったかくて優しいの………」



「………………っ。」










ほら



君の傍にいると







じんわり心があたたまる………。










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