小鳥と恋愛小説家
びっくりし過ぎて一瞬涙がピタリと止まるほどだった。
目を見開いて固まるあたしを見ると、
またニヤリと笑って
「…………とか、泣き止んだら言ってやるけど?」
「~~~~!!」
ニヤニヤ笑う顔は面白がってるのね!!
一瞬でもドキッとしたとかバカみたい……!
「…………ほんと…っ…何なのよ………!
あんたってほんとムカつくわ!!」
「おかげで泣き止んだじゃん。
いつまでもカナのことで泣いてっとうぜーし。
腹減ったし、飯食い行くぞ。
……しょうがねぇからおごってやるよ。」
「…………!」
くるっと背を向けた大河はもう歩き出してる。
普通置いてなんかいかないわよ………。
呆れた気持ちで素っ気ないヤツの背中を見つめた。
でも、
確かにあたしはすっかり泣き止んでいた…………。