小鳥と恋愛小説家
駆け足で追いついた。
「……………イタリアン…」
後ろからつぶやけば
「殺すぞ…どブス!
はい!マック決定~」
思った通りのムカつく答えが返ってきた。
「何よ!!ケチ大河!!」
だからあたしもいつも通りに憎まれ口で返す。
「誰がケチだっ!?
おごってもらうだけありがてーと思え!!
つーか遅ぇんだよ!!
とっとと来い!!」
「…………!!」
――――ぐいっと手を引かれて、そのまま歩き出す。
大河はあたしの方に絶対に振り返らなかった。
なんとなく………あたしも何も言わなかった。
大河の手は
意外と大きくて――――あったかかった。
ちょっとだけ胸がうるさいのは、病気のせいじゃないと思う……………。
「あ~あ……腹減った。てめぇのせいだからなー。」
「………はぁっ!?なんであたしのせいなのよっ!?」
「わかりにくいとこにいるんじゃねぇよ!!
疲れた!!」
「…………!!!…………あんた…まさか………あたしを探し………」
「~~~!………やっぱりおまえがおごれ!!決定っ!!」
「なんですってっ!?」
胸が騒ぐなんて
ちょっとだけなんだから………!!
おまけもHappy end★
2011/11/9
矢野知兎★