小鳥と恋愛小説家
「…………優し…い…?」
いきなりな言葉に驚いて…………うまく頭が回らなかった。
「うん!……今日もわざわざお礼に来てくれたし………あたしあの後、みんなから質問攻めだった!」
そう言って……彼女は楽しそうに笑った。
貴宮くんて自覚もなさそうだよねぇ…そんなことまで言いながら。
自覚……?それは確かに意味がわからないけど………
ちょっとした不安も胸の中に生まれた。
褒められてるような気がしなくもないんだけど…………
「………がっかり、した………?」
実は騒がれるほど、クールでもなんでもなくて………
俺はただ…うまく言葉にするのが苦手で、
人見知りなだけだ…………。
不安な俺に……小鳥ちゃんは………
「………?ぜんぜん!!むしろ…気づけて嬉しかった!!」
「…………!!」
少し顔を赤らめて…………眩しいほどの笑顔でそう言ってくれた。
「…………っ。」
ギュッと締め付けられる胸………。
ありのままの俺に……嬉しいなんて言ってくれた君…………。
「…………ありがと。」
「………??…どういたしまして!」
それだけ言うのが精一杯。
優しいのは…………君。