小鳥と恋愛小説家
抱いては帰れないけどやたらに心配………っ。
だからとりあえずは
「…………家まで、送らせて……?」
「………!?」
小鳥ちゃんが何やら大きな目をさらに大きく見開いたけど…俺はそれどころじゃありません………。
君、こんなにふわふわしてるのに………
また躓いて大ケガしたらどうするんだ………!
「……え…え……えぇぇっ!?…たっ、貴宮くんが…っ!?」
「………?………うん。だって、危ない。」
ぜひとも今こそ恩返しをさせていただきたい。
鶴ならぬ……叶夜の恩返しです。
「………行こう。」
「………!!?」
なんだか戸惑う小鳥ちゃんに、断られても困るからその手を掴んで俺はさっさと歩き出した。
小鳥ちゃんて……手も小さいなぁー。
俺と比べたら大人と子供の手みたいだ。
「…………。」
無性に愛しく感じるその小さな手を………
壊してしまわないように加減しながら
きゅっと握りしめて歩いた……………。