小鳥と恋愛小説家
□どうしよう……ドキドキが止まりません…!
【side小鳥】
『………行こう。』
たった一言つぶやいて…………
彼はあたしの手を取って歩き出した。
ありえない………!
だって……っ、あたし今……!
貴宮くんと……手、繋いでる………!!!
顔から火吹きそう…………。
あったかくて、おっきな手。
まるで……いたわるように、優しくつながれた手…………。
男の子と…初めて手をつないだ。
男の子って……力強そうなのに、誰でも、こんなにも…………
優しく手を引いてくれるの………?
それとも、優しい貴宮くんが特別なのかな…………。
うん……きっと、そんな気がする。
恥ずかしくて…足元ばかりにやっていた視線を少し上げて……
すぐ前を歩く広い背中を見つめた。
ドキドキして苦しいくらいなのに………
大きな広い背中を見ると、あたしは何だか……守られているヒロインみたいな気になって………
頼もしい背中に、安心する……………。
あたし…………貴宮くんに、守られてるみたい………。
「~~~~っ!」
あぁ………もう、ほんと……………。乙女モード全開だ。(なまじっかケータイ小説にハマってるだけある)