小鳥と恋愛小説家
「………じゃ…またね……。」
「………あ…ありがとう………っ。また……明日ね………。」
貴宮くんは………ほんとにあたしの家の前まで送ってくれた。
あたしは、貴宮くんの大きな後ろ姿が………小さくなるまで見送った………。
完全に見えなくなったら………さみしくなった。
家に入って、二階の自分の部屋に行った。
バックからケータイを取り出して、お気に入りに登録しているサイトを押した。
「………更新はまだないかぁー…。」
残念………。
変わってないページ数にちょっとがっかりして、でもまた読み終えている話を読み直す。
貴宮くんは………小説の中の人みたいだ……。
かっこよくて、スタイルがよくて、頭もよくて、運動神経もいい。
それだけを知ってた時は、あたしとは世界が違う人だと思うくらいだった。