小鳥と恋愛小説家
「おまえな、何も悩む必要なしっ!そのネジの弛んだ頭しっかり締め直して、よーーっく考えてみやがれ!!!」
俺をビシッ!と指差して、アホかと言いながら大河は俺に呆れた視線を寄越す。
「…………意味がわからないぞ……?」
むしろおまえわかったんなら教えろよ……?
だけど大河は
「………テメーで考えやがれっ!そこまで面倒みてやるかっつーのっ!!!」
「………。」
へっ!…と言ってあっちを向く大河………。
教えてくれる気はまるでないらしい。
性格悪いぞ………大河。
思わず、恨みがましい視線を大河に向けた……その時―――
「…………しつこいわね……!?行かないって言ってるでしょっ!?………小鳥……!?」
「…………やだ……っ!!」
公園の入口から聞こえてくるその声に反射的に振り返った。
「……!?……カナっ!あれ………!!」
異変に気づいた大河も焦った声をあげる。
「………っ!!?」
見た途端、俺は走り出していた。
視線の先に………男に腕を捕まれて……今にも泣きそうな小鳥ちゃんがいたから。